歯科・口腔外科

歯周病にかかる猫が増えています。

歯周病にかかる確率は、実は人間よりも動物たちのほうが高いことをご存知だったでしょうか。歯周病になると、口臭がひどくなるだけでなく、内科的なトラブルにも発展しかねません。
猫は、人間とは歯やあごの構造が違う上に歯や骨もかなり薄いので、治療も実にやっかいです。たかが歯の治療と思いがちですが、場合によっては骨を削る手術になることもあり、そうなると生死につながる大手術になることさえあります。症状が気になり出したら、早めに診療を受けられることをお勧めします。

歯の治療が必要になる前に、予防を。

歯の治療と聞くと、どうしても人間の歯科治療と同様に考えてしまいますが、動物の場合は、頭も小さく、歯を抜くことすら大手術となりかねません。そのため、Hamilza動物病院では、歯科についてはとくに予防医療に力を入れています。
子猫からの歯科検診や、医学的に正しい歯磨きのやり方の指導などを通じて、歯を抜かずにすむケアを大切にしています。診療時には治療とともに、ネコちゃんの歯周病予防のために日常生活で気をつけてあげてほしい点のアドバイスや指導も行っています。

猫のデンタルケアについて

歯は、人間で約28本、猫では30本あるのですが、猫の歯については、目立つ犬歯だけ見て奥歯を見たことのない飼主さんが多いようです。ぜひネコちゃんの歯をよく見てください。3歳過ぎたら奥歯に歯肉炎や歯周病が見られるネコちゃんがほとんどだからです。当クリニックに来るネコちゃんにも、前歯は歯周病でもう抜けてしまって無い子もいます。フードを早食いや丸のみする、または吐いてしまうなんて場合は、実は歯が悪いことも多いようです。どうしたのかな?と思われたら、ぜひ歯科検診にいらしてください。

虫歯・歯周病

実は、猫には「虫歯」はありません。猫の歯の病気で一番多いのは、「歯周病」です。3~4歳の成猫のおよそ85%の猫は歯周病になっていると言われています。
乳歯から永久歯に生えかわる6ヵ月ぐらいから歯肉炎になっている猫もいます。
「歯石もついていないのに、なぜ?」と思われるかも知れませんが、猫の場合には歯石のつき方で判断できないんです。
猫の歯は、ばい菌にとても弱く歯周病になりやすいのです。猫の歯肉炎や歯周病は、口の細菌と体との免疫反応が大きく関係しているためです。猫は、骨の構造が人や犬よりとても薄いので歯の上は少しの歯垢(細菌のカタマリ)や歯石のように見えても、歯の根が入ってるアゴの骨が炎症を起こしていることも多いのです。ばい菌(細菌)に負けやすいネコちゃんは、少しの歯垢(細菌のカタマリ)でも炎症を起こしてしまいます。
また、犬歯の長さが若い時より伸びて出てきているネコちゃんはいませんか?これも猫特有の現象で、骨の炎症が起きていることも多く、歯の治療だけでは済まない場合もあります。
早い猫の場合には、6ヵ月頃に永久歯に生えかわったと同時に歯周病になっている子もいます。歯が生えかわったら、デンタルチェック=お口の健康診断にぜひ、おいでください。

ネックリージョン(破歯細胞性吸収病巣・歯頸部吸収病巣)

歯周病の次に猫によくみられる歯の病気に、「破歯細胞性吸収病巣(はしさいぼうせいきゅうしゅうびょうそう)」または「歯頸部吸収病巣(しけいぶきゅうしゅうびょうそう)」、いわゆる「ネックリージョン」というものがあります。ある報告では、4歳以上の飼い猫の約50%以上にこの症状があるとのことです。
この病気は歯の組織にある破歯細胞(はしさいぼう)が、歯をこわしていく原因不明の病気です。虫歯とよく似ているのですが、歯の付け根に吸収病巣(きゅうしゅうびょうそう)というものができ、虫歯のように穴があくというものです。
早めのステージなら早期治療で解決できる可能性があります。ちなみに、人間の虫歯は細菌がつくる酸によってエナメル質に穴があきますが、この破歯細胞性吸収病巣では、細菌は関係しておらず、現在さまざまな研究がされている状態です。
歯がこわされるステージによって、ときには虫歯と同じような痛みがあるようですが、進行すると歯の根がアゴの骨と一体化していき、痛みも感じなくなったり、歯グキでおおわれて歯が無くなったり、などいろいろな状態(ステージ)があります。
この病気は歯だけに起こるだけではないので、顎の骨をレントゲンで確認してあげることがとても大切です。見ただけでは、顎の骨は到底判らないので当クリニックでは人間と同じ歯科用レントゲンで診察します。そのため、口を診察するだけでも全身麻酔が必要となります。

口内炎

当クリニックに来る飼い主さんで、「口内炎はネコによくある猫エイズ(FIV)だから、もうお薬や注射で治療していくしかない」と思い込まれている方がいらっしゃいます。実際には、みなさんが考えているほど「猫エイズだけが原因」ではなく、猫は実にさまざまな原因で口内炎を起こします。
できるだけネコちゃんが一生ツラい思いをして暮らさないですむよう、当クリニックではさまざまな治療方法を検討し、飼い主さんと一緒により良い方法を探って治療に当たります。

歯を折っていませんか?

折れた歯は、あったら放っておかないようにしましょう。よくあるのが、犬歯が折れているネコちゃん。若いころに壁にでも激突したことが原因?と思われるものです。中には、「痛そうでもないし…」と放置しておられる飼い主の方もおられますが、折れた歯は、折れた骨を治療していないのと同じで、放っておくと折れた歯の先からアゴにまで何年かかかって細菌が入りこみ、アゴに骨髄炎(こつずいえん)を起こしてしまいます。
骨髄炎は骨の感染病ですし、猫の歯が生えているアゴや頭の骨は、人間や犬よりも、実はかなり骨が弱いため、感染が広がりやすく、場合によっては顎腫瘍(がくしゅよう)というアゴの腫瘍(しゅよう)と同じぐらいの処置が必要となります。折れたことに気がつかないまま放置していると汚染されたアゴや頭の骨をけずるなど、ネコちゃんにかなりの負担をかけてしまうことになります。
歯は、中に「歯髄(しずい)」という神経と血管が入っています。ただ、骨が折れたように出血が多いわけではないため、飼い主の方では歯が折れたことに気づかないこともあります。そんな状態の猫が歯に水がしみて痛がっていても、飼い主さんの中には「水を飲んだらびっくりしたみたい!可愛い…!」
と勘違いしてしまう方もいます。痛くて歯をガチガチさせても、顔を手で洗っても「可愛い!」と思ってしまっていることも意外と多いのです。

歯髄は、ばい菌が入ると、先の方から次第に死んでしまうため、ついには痛みを感じなくなり歯の根からアゴにばい菌がはいっても、皮膚に穴があいてウミがでる状態(外歯ろう)にならないかぎり、飼い主さんには猫の歯の状態についてわからないことがほとんどです。アゴにまでばい菌がとどくまで数年かかることも多いのですが、早期に治療すればアゴまでばい菌を行かせないで済むこともありますので、どうぞ一度ご相談にお越しください。

4~5歳過ぎたら歯の健康診断を。

外から見た時に無傷だと思っていても、歯の根に変化が起きていたり、口の中に腫瘍ができていることもあります。そこでアゴ全体のレントゲンを撮ったり、舌の裏側など歯だけでない場所も検査し、確認することが大切だと思っています。
そのため、当クリニックではネコちゃんの飼い主のみなさまに対して、どうしようもなくなってから来院されるのではなく、普段から「歯肉炎や歯周病などの予防と治療」をおこなうよう意識を変えていただく方針で運営しております。ネコちゃんがお口の痛みを我慢しなくてよいように、当クリニック主催のセミナーや勉強会も行っておりますので、どうぞお気軽に受講ください。

子猫の時期の行動学に基づいた、身体とココロの健康診断と歯科検診。

子猫の「乳歯検診」と言うと、「猫にも検診なんてあるんですか?」とよく驚かれます。実は猫も人間の子どもと同様に乳児期からの歯科検診はとても大切です。猫や犬は1歳までで、人の17歳位まで急激に身体もココロも成長します。そのため、毎月の健康診断と歯科検診を受けることが理想的です。
この時に来院しておくと、動物病院を怖がらないようになる訓練にもなりますし、身体や歯の成長に異常が無いかを早い段階でしっかりチェックしておくことができます。また、行動学に基づいた自宅での遊ばせ方や事故の防ぎ方のご指導もさせていただきますので、成猫になった時の健康につながります。

「歯科検診」は、5つのタイミングを目安に。

  • 1ネコちゃんが家にやってき時
    乳歯の奥歯のチェックをして、歯の状態に合ったフードの硬さをご指導します。ワクチン予定日まで待たず、ネコちゃんが家に来たらすぐにご来院ください。ごはんの食べさせ方やトイレ、遊ばせ方等、ネコを飼う上で大切なしつけは、1日でも早くスタートすることが重要です。歯科検診とともに、しつけについても合わせてアドバイスいたします。
  • 2生後2~4カ月(子猫、乳歯期)
    乳歯が正しい位置に生えているか。乳歯が折れていないか。あごの形はどうか。入念にチェックをします。乳歯が折れている場合、あごに眠っている永久歯に菌が入ることがあります。人間の子どもの乳歯の虫歯を、どうせ生え変わるからと放置しておいて大変なことになってしまうのと同じで検査はとても大切です。生後2~4カ月になったら検診を受けましょう。この時期の子猫の遊ばせ方は、異物を飲み込んで腸に詰まることにつながったり、歯並びやあごの形を左右しますので、正しい遊ばせ方もご指導します。
  • 3生後5~8カ月(思春期、混合歯列期)
    この時期の検診は、乳歯から永久歯への生え変わりがきちんとできているか、歯の数や形をチェックします。月に2回は来院しましょう。なぜなら、この時期は人で言えば“思春期=小学高学年~高校生”に相当し、子猫らしさが少しずつ消え、身体もどんどん大きくなり、歯も乳歯から永久歯に変化していく時期。成長期の骨の異常が出ることがあったり、活発になるため思わぬ事故も増えるためです。
    乳歯が残っているのに横に永久歯が出だしたら、すぐにご来院ください。歯の数が合わない時は、永久歯があごの骨の中で外に出られない「埋伏歯」の可能性があります。歯が外に出ていないことに気づかず放置してしまうと、未熟な歯が骨の中で腫瘍化することもあります。この時期にレントゲンで確認して治療すれば、歯が成長する力のある時期なので埋まっている歯を出すことも可能です。
    また、この時期に、病気の予防や願わぬ妊娠を防ぐためにも、避妊や去勢手術といわれる手術をするのがお勧めです。雄は睾丸摘出手術をしたり、雌は子宮と卵巣を摘出します。
  • 4生後8~12カ月
    ずいぶんと身体も大きくなって、成猫に近くなっていますが、生後12カ月ぐらいまではまだまだ歯の神経は成長して、歯の根が閉じていません。硬すぎる物や飲み込みそうな物はかませないように、飼い主さんが正しい知識を持っておもちゃ選びをしてネコちゃんの大切な身体や歯を守ってあげてください。歯の生育具合をチェックするとともに、この時期のココロの成長に大切なことをアドバイスいたします。
  • 5生後12カ月以上
    年に2回は、「健康診断&歯科検診」にご来院ください。ワクチン注射に加えて、もう1回ご来院されることをお勧めします。
    この時期の遊ばせ方は適切ですか。肥満になっていませんか。歯磨きおやつは、盲信しないこと。人間の歯磨きガムと同じレベルのものですから、きちんとした歯磨きが欠かせません。また、歯磨きをしているからといって、歯医者さんの歯科検診を受けない人もまずいないはず。ネコちゃんには、ぜひ歯科検診を受けさせてあげてください。
    当クリニックでは、アメリカ獣医歯科を基礎から学んだ院長をはじめスタッフ一同、皆さんの猫のお口の中を一生守れるように、ケアやご指導をさせていただきます。ぜひご活用ください。
Hamilza動物病院

〒662-0928 兵庫県西宮市石在町10-26(用海筋沿い、東三公園斜め前、東町バス停前)

TEL:0798-20-5876

受付時間は診療時間内となります(下記参照)

〈車でお越しの方〉

●駐車場は医院前に2台分のスペースがあります。
満車時は病院前通り(用海通)・病院より北側(日本盛本社の斜め手前)のコインパーキングか、周辺の有料駐車場をご利用ください。
駐車場の券をご提出くだされば、1時間分の駐車料金をお出しいたします。受付で駐車場券をご提示ください。

●もしくは、携帯電話番号をお聞きしますので、公園前にて待機いただく形でお願いいたします。(受付までお申し出ください。TEL: 0798-20-5876

〈運営企業〉

会社名:株式会社 One colza(ワンコルザ)
本社:兵庫県西宮市越水町12丁目11番203
設立:2022年11月17日
事業内容:動物病院の運営等
代表者:渡辺一菜

診療時間(予約診療)
診療&手術
9:00~12:00
 
診療&手術
13:00~18:30
手術&処置
15:00~18:00
診療
18:00~20:00
診療時間(予約診療)
診療&手術
9:00~12:00
診療&手術
13:00~18:00
  手術&処置
15:00~18:00
一般診療
18:00~20:00

・診療受付は、終了時間30分前までにお願いします。

・火曜日から土曜日は、当日予約することが可能です。日曜日は当日予約不可となります。

休診日:月曜・祝日


◎日曜日は早朝診療に変更になることがあります

当院の新着情報ブログや公式ライン、Hamilza動物病院のFacebookページ等でご確認ください。
またグーグルカレンダーでも変更については記載しております。
※日曜だけ当日予約が難しい場合があります。

予約診療でお待たせしません
新型コロナの対策として完全予約制になっていますのでお気をつけください。
予約診療の時間は上記の通り設定しておりますが、手術が優先となるため、ご予約のお電話をいただいた際に、手術の終了予定時間をお知らせして、ご来院いただく時間を決めさせていただきます。
予約診療に変更したため、朝から麻酔して処置や手術もしています。
近くの夜間救急動物病院ご紹介
当クリニックは、夜間の診療は行っておりません。診療時間外は、夜間救急動物病院をご利用ください。
その際は、必ず電話してから向かっていただくようお願いします。
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