前回の歯科ケアから 1年半ちょっと空いていて、ちょっと歯肉炎が目立つようになって心配な状態です。
ちなみに、歯の用語を きちんと覚えていただきたいので
ちょっと説明しますね。
ある歯科医の先生がおっしゃっていたのですが
歯周病とまとめていうから 歯の病気がわからなくなるのだ
きちんと 歯肉炎と歯周炎と分類して言うべきだとおっしゃっていました。
あと 歯垢=プラークなんていうから キレイに聞こえるのだ
菌の塊で 便の100倍の菌がいるのだから歯の糞 歯糞(はクソ)と言うべきだ!
もっともだ で 私も 歯垢=プラーク=歯糞(はクソ)と呼びますね
歯糞=はクソ
というわけで 書いてみますね!
あ ちなみに 歯肉炎は 見えている歯石⇒歯肉縁上歯石や歯垢=歯の糞でなりますから 見えている歯石を取れば 治ります
・歯肉炎は 歯肉=はぐきが歯周病菌で炎症をおこし赤くなる病気で 歯磨きや クリーニングでもとに戻る
・歯周炎は 歯を支える骨や歯根膜が歯周病菌で炎症が起こり、骨は消えてなくる病気でもとに戻らない,
・歯槽膿漏は 俗称で 最近はあまり言われないけれど、骨等が腐って膿が歯茎の上まででてきて見えている状態 膿が漏れると書くので
さて このワンちゃん
3歳の時は
上の前歯の内側は
1年半ちょっと経つと
歯肉炎& 歯周炎が少し
プロープが入るようになってきました。
では 上の犬歯の外側は?
内側から 鼻にアナが空きますが 外から見えるような歯石 見えている歯石⇒歯肉縁上歯石はここはつかず
見えてない歯石⇒歯肉縁下歯石が歯を伝って歯糞=はクソが歯肉の中に入って 見えてない歯石⇒歯肉縁下歯石になるので
飼い主さんからも 獣医師からも 診ただけではわかりません
麻酔をかけて プロープを入れてみないと 判明しない場所でもあります
3歳の時は
1年半したら
歯肉が少し減ってしまっているのが わかるかもしれませんね
歯垢=プラーク=歯糞(はクソ)で歯肉とその下の骨が溶けて腐って減ってきているのです。
これは 歯周炎がすすんで しまったプードルさんですが
犬歯にそって 歯肉がありません
でもぞの下の骨も歯垢=プラーク=歯糞(はクソ)で腐ってなくなったから
歯の根が露出してしまい 歯が長く見えているのです
これで 飼い主さんが 歯磨きだけをして
見えている歯石⇒歯肉縁上歯石がついて居なかったとしても
見えてない歯肉の下の 歯垢=プラーク=歯糞(はクソ)は取り切れないし
歯石⇒歯肉縁下歯石は 歯肉の下でちゃくちゃくと育ち
歯の根が露出してくると 象牙質がでてきて知覚過敏も起こすので
犬も歯磨きを嫌がったりして 気がつく方も たまにおられますが
普通は ガーゼなどで みがくと 知覚過敏も感じづらく
外からキレイというだけで 歯周病はサイレントキラーと言われ
初期は痛みがほとんどないので 歯周炎が粛々と進行していくという感じです
このレントゲンは
保護犬プードルさんで
避妊手術の時に
ついでに歯石を除去し グラグラしている歯は抜いてもらったワンちゃんです
「まだ口が臭いのだけど どうしたら良いですか?」
と獣医さんに お聞きしたら「そのまま 触らないで そっとしてあげてください」
と言われたのですが
当院に来院され 歯科レントゲン撮影と プロープ検査で
残された歯が全部重度の歯周炎で した
この前歯もひどいものでした。
リンクさせている 動画のワンちゃんも
獣医師のもとで 無麻酔でしたが
歯石除去をされ
最近 歯磨きをとても嫌がると
来院された小型犬さんの前歯です
「歯のクリーニングに動物病院にも定期的にいって
毎日歯磨きしていたのに なぜこんなことになったのでしょうか」
とおっしゃる飼い主さんのことばに
もっと日本の犬猫の歯科の現状を
ちゃんと飼い主さんに お伝えしないと!
と思う原動力の1つが
このワンちゃんと飼い主さんです
今そのこは
歯磨きも きちんとされ
当院での 歯科ケア(PMTC)も定期的にしてくださって
歯はとても良い状況です
それは また後日
だしますね!
このビジョンさんは
まだまだ歯科ケアをきちんとしていけば
間に合う段階です
犬も人も歯はあった方が良いです
インプラントも犬はいれられます
でも人でさえ インプラントは手入れが大変です。
晩年 インプラントから
インプラント歯周炎になり
インプラントを抜く羽目になった方も
たくさんおられます
犬にいれることは可能ですが
皆さん ケアできますか?
また 犬は人と違って
歯が人より 歯の根が深くて長くて
小型犬では動脈の真横を走っていたり
目や鼻の2ミリ位そばだったりが 普通です
根が深いので歯周炎になってもぐらつかないのと
歯周炎で骨がへったことを検査する
歯科レントゲンは 2018年で1万けんある動物病院で
わずか 800台でした
歯石除去をされている動物病院では
歯科レントゲン撮影の必要性も考えることなく
歯石除去をされているのが
実情ではないかと 推察されます
例えば歯周炎でアゴが折れる場所は 下の歯の第一後臼の前後が多いのですが
この子は
まだ 大丈夫な状況ですが
ひどくなりかけ
折れる前だと プードルさんで
こんな感じです
これでも かかりつけの獣医師さんは「触らないでそっとしておいてください」歯科に詳しい当院に行くことも
飼い主さんが言っても「やめたほうが良いです」
とおっしゃったそうです
なぜなのかは 私には不明ですが
飼い主さんは 「あのまま放置していたら どうなったのでしょうか?」
とおっしゃいました
・顔にアナがあくか
・鼻からくしゃみをする
・顎が折れる
位しか 判ってもらえなかったと思われます,
麻酔が怖いのではなく
歯垢=プラーク=歯糞(はクソ)が口の中に
歯にしがみついてあることが
歯周炎や歯肉炎を起こすだけでなく
誤嚥性肺炎や関節炎 胃腸の不調
血栓などを 起こすのが
一番怖いと
私は思っています
私はこの ワンちゃんが
麻酔をどうしても かけられないその日まで
来てくださる限り
口から つらい思いをさせることだけは
守りきるつもりでいます
どうぞ 飼い主さん 一緒によろしくお願いしますね!
小型犬前歯歯周病