歯に詳しい動物病院の見分け方とは、失礼な言い方だとは思いますが、全国の犬猫の飼い主さんからどんな動物病院に行けば良いのですか?と聞かれることがあるので、私がこの動物病院さんは

歯科をどの位勉強されているのかな?と

ホームページを見ているポイントを書いてみようと思います。

私自身が、獣医大学を卒業した頃は犬猫の歯の本数を知っていた位で、30年前位に大学を卒業してからも勤務した動物病院の院長からは

・犬猫は食べ物を噛まないで

飲み込むから 歯は基本的に不要

・歯が無い方が、人を噛まないのでより良いかも

と聞いたりして、歯科の本やセミナーも当時は無かったので、麻酔したついでに歯石除去したり

「犬猫の扱いが上手ければ、麻酔なんてしなくても歯石除去位できますよ!」と私自身が、無麻酔の歯石除去もやっていたのです。

でも、そんな私が28年前位に、アメリカの獣医歯科専門医の口腔外科セミナーに参加し、

人と同じような歯科治療が犬猫にも可能であると仰天し!目から鱗がボロボロ落ちました。

そこから、他のアメリカの獣医歯科専門医の先生にも出会い、東京で毎月開催してくださるようになったその先生の8人位の勉強会に参加するようになり、8年近く毎月通ってきたり

、途中その仲間達とアメリカの獣医歯科学会の歯科トレーニングコースにも通って、数年かけて全過程終了したり、日本でも様々な歯科トレーニングをしてきました。

私の獣医人生30年近くやってきた中でも、歯科の勉強には1番時間とお金をかけてきました。

犬猫の皮膚の勉強は、歯を治療した飼い主さんが、歯を治療すると涙焼けや皮膚が綺麗になった!と仰る方が増えたので、獣医皮膚病学会と獣医アトピーアレルギー免疫学会に入ったのがきっかけなので、15年前位からです。

歯科の勉強については、勉強したと言えども人の歯学部に行った歯科医さんと同じとは決して言えない位だと思っています。

そして、動物の場合、歯科をやるには、

先ず他の病気を知りつつ、獣医師から紹介を受けても、歯科以外の病気を考慮した上で

全身麻酔をかけないと、歯科の検査1つも出来ない

為、麻酔や他の病気にも精通しておかないと

基本的な歯科の検査さえも心配で出来ません。

そして

・犬猫の歯の生えている場所が、血管や神経が密集している頭であること

・犬猫の歯の病気は、歯周病が1番多く、

歯周病には歯肉炎と歯周炎があり、歯肉炎=歯肉いわゆる、歯茎に歯周病菌で炎症をおこす病気

歯周炎=歯を支える顎や頭の骨等が歯周病菌で腐る病気であることから、犬猫の歯を支える骨は人の何倍も脆いので、歯周炎が重度な場合が多く口腔外科がメインの治療になること

・歯周炎はサイレントキラーと言われ、ほとんど痛みが出ず、ひとでも自分では自覚が難しいこと

・虫歯は犬にはほとんど無く、猫には0であること

から、高度な歯科治療が実施できることを

目指し続けるより、

飼い主さん達には、そんな治療を受けないで良いように、予防歯科を徹底していく

それをモットー⇐古い!に役25年間歯科をやって来ました。

すると、犬猫の飼い主さん達も私が独立しても

ついて来てくださった方もおられ、その犬猫達の一生を見届けられ、2代目の犬猫まで歯の診察等、させていただけています。

寂しいことですが、亡くなったあと飼い主さんから

「葬儀の関係の方達に、“こんなに歯が綺麗な犬(猫)は見たことないです”

と言われました、最期まで食べられたのは歯の治療をして来てもらったからだと思っています。」

と言っていただけることも多く、実際は歯が無くても、0でも犬猫も人も生きていけますが、歯周病をほとんど無くしてあることで誤嚥性肺炎等の感染症からは守れたと思っているので、歯科をやっていて良かったなと思っています。

歯科を、なんだかんだと長い間やってきた私で

日本の歯科の歴史の片鱗は見てきたと思っていますので、少しはこんな歯のことを書いても良いかな?と思って、年始に書いてみます。

獣医大学では、全ての科目を広く浅く基礎を学ぶので、大学ではと言っても、その方の研究室とかでも違うとは思いますが、私の場合獣医大学では

避妊手術とか基本的な外科は1回位は外科実習とかでトレーニングがありましたが、眼科や腫瘍摘出や腸や膀胱の手術等は、卒業してから

学会等に参加して勉強して、他の獣医師の先生と共について貰って、手術出来るようにしていきました。骨折手術や眼科手術は、在籍していた動物病院には他に出来る獣医師もいたので、開業してからは特別な道具も揃えないといけず、高額でもありトレーニングにも、又時間とお金が必要なのもあり、交通事故や怪我で飛び込んで来られたら、応急処置まで出来るようにトレーニングして、あとは外科や眼科の高度なテクニックをお持ちの動物病院に紹介するように、今もしています。

そんなこともあるので、

歯科も他の科目と同じと考える方もおられ、数回~数ヶ月テクニックを何かで勉強して

やれると思っておられる方もおられますし、歯の詰め物や、歯を切ったあとの詰め物のやり方教えてください、と電話でも気楽に聞いてこられる獣医さんも時々おられます。

小さなイボの皮ふの切り方を聞かれても、え?!

とびっくりする内容では?と思うのですが

 

そんな時は、ネットや本にたくさん出ていますよとお伝えするにとどめさせていただいています

 

特に歯科は、他の科目より良くやり方を聞かれたり、やって見せて教えてよと言われるので、命に別状が無さそうで、他の手術より簡単だと思っておられるのかもしれません

 

でも

そんな動物病院に限って、歯科の最低限の道具である、歯科レントゲンを持っておられ無かったりされる印象があります。

歯科をされるなら、ぜひ買ってくださいねと言うと、歯科レントゲンは高いしとか、そこまでやるのは面倒なのでと仰られたりします。

どうやって検査もせずに

歯の治療をするつもりなのかな?と心配より

びっくりしたり、哀しくなります。

 

飼い主さんからの話しでは、ワンチャンの歯石除去処置で予約する時に

「歯石除去はしますが、歯周病の治療ではありませんので」と言われた飼い主さんもおられます。

飼い主さんは、そんなことを言われても

意味が判らなかったそうです。

 

結局そのワンチャンは、歯石除去しても口が臭くて、当院に転院して来られ、その言葉の意味が初めて判られたそうです。

確かに嘘は言われておられないですが、飼い主さんは美容を求めておられたわけではないので、

、せっかく麻酔までかけたのに

残念ですと仰っておられました。

 

歯石除去をされて、それが有料ならば歯周病の予報治療をしないと、果たして歯石除去をやる意味はあるのでしょうか?(>_<)

 

 

私がその動物病院が、歯科に詳しい、又は勉強しようとされてたり、されておられるのを見極める方法として最低限見るのは

私が、ホームページで拝見したりするのは

この2つの道具があるかどうかです。

どこでその方がどの位勉強されたりは、

読めば書いておられたりして、ある程度は把握出来るのですが、飼い主さんには難しいと思いますから、最低限道具だけは、数百万単位となる高額ですし、道具に出費したら

使おうとされるか、歯科の出来る獣医さんを雇われたり、委託はされるはずなので

歯科の大きな道具は、歯科に力を少しでもいれておられるかの見極めになると思っています。

 

逆に、獣医さんが、歯の治療を勉強したいと仰って来られた時も同じように、この道具を揃えてくださいとお願いします。

私も、歯科を勉強し始めた26年前位の最初は他の道具で安く代用出来ないか?と歯石除去のスケーラーはどこの動物病院でも基本持っていて単品だと30万位の道具なので、30年前位に卒業した時勤務した動物病院でもあって、すぐにそのスケーラーの道具の使い方を院長に教えて貰って、麻酔した時には「歯石除去もしといてください!」と新卒の、メインのお仕事でもありました。

でも、今思えば、そのスケーラーの道具は水が出ませんでした水出ないけど、外から水かけてやっておいて!と言われて、素直にやっていました。

水を歯にかけながらやるのは、歯の神経や血管が超音波スケーラーからでる熱に弱いからなのですが、当時は何も知らなかったので、水で歯石を時々流しつつ、除去していました。

 

歯を削ったりする道具は、歯科技工士さんの

エンジンを数10万位で買って、やっていたのですが、やはり高速タービンが無いと、歯を切ったりするのは、ブレて逆にムリと思ってデンタルユニットを買いました。

 

ですから、超音波スケーラーはほぼ全ての

開業動物病院にはあります

 

歯石除去には歯石には2種類あっ

外から見える白い歯石(歯肉縁上歯石)

歯肉の下の見え無い歯石(歯肉縁下歯石)があります。

飼い主さんは、歯周病(歯肉炎と歯周炎のこと)

には2種類あることを知っていてください。

 

歯肉炎=歯肉いわゆる、歯茎に歯周病菌で炎症をおこす病気は

見えてる歯石除去だけで、炎症はかなりひきます。でも、歯周炎=歯を支える顎や頭の骨等が歯周病菌で腐る病気

これは、プローブと歯科レントゲンの両方で診断します。

プローブは、数千円の道具です。

 

 

なので歯周炎をチェックするのに、獣医さんが最低限持ってないと判らない道具が

・歯科専用レントゲン

です。

安いのでは、デジタルでやらなければ150万以内位でも買えます。

普通のレントゲンでは、骨と歯が重なって

診断が難しい、ムリなのです。

 

詳しくは、動画でどーぞ!

 

先ずは、歯科レントゲン撮影のトレーニングから入らないと、歯科レントゲンの撮影方法は特殊なのと、歯科について色々勉強しておかないと撮影したレントゲンの評価も変わってしまいます。

所謂誤診してしまうのです。

 

ここだけでも、私も日々まだまだ、上手く撮影するのは、大変です。

歯医者さんなら、わかるとおもいますし、

人ならそんな本は山ほど、出ています。

Amazonでも販売しています。

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撮影の基本は同じです

この本の紹介の1部から

 

 

獣医歯科レントゲンの本も数冊出ています

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最低限歯科レントゲン装置があれば、

外科をされる先生なら、高速タービンとか、削ったりする道具をお持ちの方もおられるので、

コンポジットレジン等を固める

光重合機とか買えば、何とか出来るかもと思いますが、

やはり歯科治療を日々スムーズにやるには、

・スケーラー

・歯を磨いたり削ったり、するエンジンのバー

・歯を切る高速タービン

・歯を乾かしたり、歯石チェックするエアーフロー

・歯や口を洗う水が出る道具

 

これらが、セットになったデンタルユニットがないと、私はやってられません

私はモリタさんのデンタルユニットを前の動物病院から、マイ道具として25年前からずっと使っています。

京都に会社があって、何かトラブルがあっても

すぐに対応してくださり、感謝しています。

私のは、前の旧タイプですが、機能はそんなに変わりません。これはモリタさんのホームページからでNEWなやつです。

 

人と同じ、キューンと怖い?音でなる高速タービンが搭載されています。あのキューンはエアーコンプレッサーでタービンを回している音です。

私は、元々DIYで木工細工をするのが好きで、

インパクトドライバーとか、電動ノコギリも持っていて、そんな道具を使うのが大好きなので、

、歯科道歯の治療道具は、高性能なので、宝石よりもこんな道具が大好きで価値があると思っています。

 

でも、飼い主さん達には、こんな道具と技術を

を使うことより、歯周病にならず何もしないでいて貰える方が 飼い主さんも犬猫達も

所謂予防歯科だけで一生終わってくれた方が

 

・痛くない、怖くない

・費用もそんなにかからない

私も

・痛い犬猫や、それを見て辛がる飼い主さんを

さんを見ないですむ

・高い!と思われ無いですむ

ので、WinWinだと思っています。

 

どうぞ、

・今更手遅れだ!

・抜くなんて、言われたくない

 

なんて怖がらず

子犬子猫の乳歯の生えている時は

小児歯科として

生後2ヶ月から顎の成長歯並びに関係する

噛む玩具や遊ばせ方のアドバイスや、乳歯チェックもさせていただきます。

 

大きくなったら、歯周病になる前の

1歳半から2歳半までには

1度、歯に詳しい?!ハズの当院で

歯科検診を受けてみてください!

どんな歯ブラシを使うか、どうやってじっとさせるかなど、

歯磨き指導や、行動トレーニングも含め

させていただきます。

 

他院の方で歯科だけのご相談も

喜んでお受けします。❤