本日、3歳と言われて譲り受けた
パピヨンさんの、歯周病の治療をしました
ネットで似た感じのパピヨンさんの
写真をお借りしました♥
元々、皮ふの膿痂疹を繰り返しておられて当院に来院されました。
保護犬さんに多く見られるパターンなのですが、口や皮ふの状態を拝見すると、そのワンちゃんは白髪も出てきていたので3歳には感じられらず
推定6歳かな?と推察して麻酔も
かけさせていただきました。
何回治療しても、膿痂疹を繰り返すということから、人の掌蹠膿疱症というのが、歯周病を治療したら
治ったということも報告されています。
私が25年以上前から専門にしようと長年勉強してきたのは
・動物行動学(犬猫の心療内科)
・獣医歯科&口腔外科
の2つでした。
でも、飼い主さん達が
歯周病を治すと皮ふや涙焼けが綺麗になる!
と良く言われたので、え!??!
何変なことを?言うんだろ、歯周病が酷くてしんどかったんだろなと思っていました。
それなら、皮ふの認定医制度がスタートした処だったのと、歯や行動の勉強するのも、一段落してきていたのもあり、もう1つ資格を増やすのも良いな♥!と思って獣医皮ふ学会と獣医アトピーアレルギー免疫学会に加入したのでした。
さて、このワンちゃん、他院で膿痂疹や膿皮症を繰り返し治療しても再発されていたそうです。
膿皮症はこんなの
さて、繰り返すなら
どこか身体に炎症がある=炎症性サイトカインを出す場所がある!と考えました
歯耳る座とかけて、Hamilzaハミルザ動物病院発動です!
⇊
耳のビデオオトスコープで耳を検査し、同時に
歯石除去と歯科レントゲン等の基礎検査をしました。
本日
.歯周炎が酷い前歯の抜歯
⇊
.抜いた歯の生えていた顎の骨の
感染した骨を切除して綺麗にする
⇊
.歯周病で傷んだ歯肉を綺麗に
形を整え
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溶ける糸で歯肉を縫合し
下の犬歯の歯周炎が治るよう
骨を再生させる治療をしました
歯肉を縫った糸は
腸を縫う為の、モノフィラメントとという、絹糸のようには編んで居ないタイプの糸を使っています。
モノフィラメントの糸は、ツルっとしてほどけ易く、切れ易いのですが
半面、その糸は歯周病菌=プラークが付きづらいので、
歯肉を縫うのに犬猫の歯の治療では
良く使われています
個人の歯科医さんでの人の抜歯では、ほぼ歯肉は縫わないようですが、歯科大学病院とかでは縫うことがほとんどだそうです。
縫わ無いでも、抜いた後の骨がむき出しでも、その上に血餅=血の塊があると
下から骨が再生されてくるのですが、口を激しくゆすぐ、歯磨きする
等で血餅がその場所から無くなると
ドライソケットといって、歯肉も骨も再生されず痛みが出ることが
有るようです
今回歯肉を縫うことで、下に歯周炎で腐り無くなった骨を再生させることが確実に早く出来るのです。
3週間、糸が切れないよう
柔らかい食事と、エリザベスカラーをして、口を守っていただくことに
なりました。
帰りに、飼い主さんとお話していると、目ヤニも無くなったそうです!
今まで、かかりつけの動物病院さんで、目薬もいただき挿していたそうです。
10月か何かの、獣医皮膚病学会の皮ふゼミのテーマが
確か
「目と肛門と皮ふ」で、
私が当院の眼の患者さんをお願いしている、動物眼科専門医の先生とコラボで、その症例検討会の申込みが9月7日まででした。
当院の犬達は
歯と耳を治療すると、ことごとく
目ヤニや涙焼けは治ってしまうのです
なので、理由推定ではサイトカインか顔面神経のデルマトーム理論かな?と思いつつ、ほぼ治るので、このワンちゃんも含め、
うちの患者さん達の症例だして、
眼科専門医の先生の意見もお聞きしたいな!と思っています。
やっと、世の中に発表できる日が来たようで嬉しいです。