この12歳のマルチーズさん

 

アレルギー、アトピーの薬や注射である

アポキルやサイトポイントを使っても、夜も痒くて眠れない!と2週間位前に転院されてきました。

 

 

また、アポキル!初回投与!

 

 

「痒いなら、アレルギーのお薬をお出しします。僕はアレルギーにステロイドなんか絶対使いません」

 

とか

 

 

 

このワードがでると

 

この獣医師さんは

 

獣医皮膚病学会と獣医アトピーアレルギー免疫学会は入って無いよね

 

と判ります。

 

 

 

「痒いんですね!アレルギーの検査はしてもあまり意味が無いから、これはアレルギーですから、ステロイドで痒みが止まるか反応みてみましょう!痒みが続くようなら、ステロイドでないアレルギーのお薬のアポキルを出しておきますね」

 

とか、それでも痒みあるなら、サイトポイントを使う

 

 

 

これは、獣医皮膚病学会には入っておられるか、皮ふ専門医の先生か認定医の先生。又は少し皮膚病専門医さんか認定医さん主催の勉強会に行っておられるか、でも獣医アトピーアレルギー免疫学会には入っておられないと判ります。

 

 

 

獣医アトピーアレルギー免疫学会に入っておられないと、大体は「食物アレルギーもあるかもしれませんから、ロイヤルカナンのアミノペプチドフォーミュラーを出して、効果があるか試してみましょう!」と仰るようです。

 

 

 

さて、このマルチーズさんはいきなりアポキルとサイトポイントで、いくら投与しても夜寝られ無かったそうです。

 

その時は、こんなに赤くてブツブツだらけ!

 

 

 

 

 

この時私は、

・細菌性皮ふ炎はあるだろうけど

・免疫性皮膚疾患

・皮膚腫瘍

のどちらか潜んでるのでは?

と想定しました。

 

その為には、皮膚のパンチバイオプシー検査という、皮膚の一部を切り取り病理にだしたり、免疫の血液検査が必要です。

 

でも飼い主さんは、麻酔が心配となかなかGO サインを出して下さいませんでした。

 

そこで、細菌性皮ふ炎の細菌感受性テストをすることにしました。

 

スタフィロコッカスの菌が検出され、Sが効果のある抗菌薬の名前で、Rは効きません。Iはわかんないってヤツです。

ベーシックな抗菌剤が効くみたいなので、CEXの抗菌剤を5日程お出しして、自宅での抗菌シャンプー治療をお教えし来院していただくと

 

痒みは最初の20%まで減少してました!

寝られるようになったそうです。

 

 

その後バイオプシー検査を受けて下さり、病理待ちですが

背中のブツブツは消えたけどお腹はまだブツブツが酷いとのことでした

最初の

抗菌剤を2週間続けたあと、

次はDoxyの抗菌剤に変えて2週間して

来院していただくことにしました。

その間に、病理検査も出ることでしょう

 

たかが抗菌剤で、このワンちゃんは

まずは寝られる位の痒みにおさまったのです。

 

 

痒み=アレルギー

ではありません

 

例えアレルギーの数値が高くても、

数値と症状は一致はしないことも多い!

とは

獣医アトピーアレルギー免疫学会では習いますし、実際そうです。

 

皮膚治療をされるなら

 

獣医皮膚病学会と

日本だけの学会なので、世界の皮膚病学会には発表出来ないけど、

獣医アトピーアレルギー免疫学会の

2つにはせめて入って勉強した貰いたいなと、しみじみ感じます

 

学会入会費用はそれぞれ1万位

 

学会にでても、それぞれ一回1万か2万かかりません。

 

交通費は昔は、東京まで行く必要があり、私だと往復交通費3万+宿泊でしたが、今はZoom参加可能です

 

獣医皮膚病学会は会員千人位はいそうです

獣医アトピーアレルギー免疫学会は

この前参加して、総会に出たら会員数200人と書いてました。

 

その時の会場参加は25名(^_^;)

私は学会の先生達にアレコレ質問したり、ご挨拶したくて東京まで行きました

Zoom参加も増えて便利になりましたね!

 

さて、皆さんのかかり付けの先生は

何処の学会に参加所属されていますか?ホームページに普通は書いています、

私の知り合いの先生は、開業15年間位でトータル2回〜4回位しか学会ではなくセミナーとかにも行かれていません。

本だけで勉強する先生もおられるのです。

でも、私は本は、特に日本語のはたまに薬用量の本とかは役に立つけど過去の遺物に近い遅れた内容だと思っています。

 

学会でも、症例発表の内容は

誰にも突っ込まれない、正当なことを出すけど、ホンネはその先生との

立ち話とか雑談に、臨床に役に立つ宝が散りばめられてると感じているので、リアルに行って先生達とお話しするのが、私の治療の大きな力となっています

 

治せると、ホント気持ち良いですし、犬猫うさぎ達が良くなって飼い主さんの喜ぶ顔が

何より私のモチベーションアップになります

 

 

獣医さん達、アポキルは

ステロイドで初期治療して

維持で使うものです

 

最初から、アポキルを漫然と使うのは、どうぞやめてみて下さいね。

多分そのことは、皮膚専門医の先生とかの新しい本には出てるかな?と思うのです

 

どうぞよろしくお願いいたします