今日は柴犬さんの歯内療法をしました。

ソレナーニ?

と言う方は、人間の歯内療法学会のホームページを見てみて下さい。

https://jea-endo.or.jp/public/

①歯が折れたら、そこから菌が中の神経&血管に入ります
この柴犬さんは、左下と左上第4前臼歯でしたが、1本最低2時間は必須なので今日は犬歯をやることにしました
流れとしては

②神経&血管を徹底して、歯の中から取り出します

最初にファイルの一番細いのをいれて、
歯の一番深い処までを測ります。
ファイルとは、ノコギリみたいなギザギザがついた、金属の棒です

 

この長さ、今回は柴犬で犬歯の深さが30ミリありました
これを1段階ずつ、太さを太くし、深さは1ミリずつ短くして、歯の入り口に向かって太く、穴の中を綺麗にしつつ
歯の詰め物の穴を、形成していていきます。
細かい細かい作業です
ここの過程で、1時間以上かかりました。感染した歯の神経と血管を取りきってないと、詰め物しても感染が残るからです
それを、レントゲンで到達してるか、確認してやっていきます
 

 

③綺麗になったら、何回も洗浄してより

消毒

 

④次は中に、紙のコヨリ=ぺーパーポイントを何回も入れて、水分を取り去ります

 

 

⑤中に殺菌力のある、充填材を注入
 

 

⑥次はガタパーチャという、樹脂をどんどん、ヒーターで熱した棒(スプレッダー)で詰めて、ギューギューに入れます

色々なサイズの、樹脂を選んで、どんどん詰めて押し込みます!

これを、カットして、

⑦スプレッダーという、押し込む棒を熱して、歯の根が封鎖されるよう、充填材の樹脂を押し込みます。
レントゲンで、確認!
ヨシイケてる

 

⑧あとは、虫歯とかの詰め物のやり方で、何層かに封印材を光で硬めつつ

セメントを、詰め
その後硬いコンポジットレジンで覆います

 

 

 

 

 

 

 

光で硬め

表面を整えて終わりです

 

 

 

 

表面は樹脂なので、硬いものには

さすがに、ポロッと欠けます

硬いものには、ご注意下さいね!

 

 

人だと、虫歯の治療で神経に達するまで

感染が進行した場合

「もう、神経を抜く治療をしますね」

という言葉で、何回か歯の神経を取り除き消毒に通い、「痛みはありませんか?」

なんか聞かれつつ通院し、

「では最後に蓋をしますね!」

で、やっと長い歯の神経を抜く治療=歯内療法の通院が終わるのです。

1回30分位の予約して、4~6回位通って合計2~3時間位かかる、アレです!

犬猫だと、大体は

犬→硬い物を噛んで奥の上の一番大きな第四前臼歯を折るか、ぶつかったり、硬い物を噛んで犬歯を折ること

猫→ぶつかって犬歯を折る

ことが殆んどです。

事故は仕方ないけど、犬に硬い物を咬ませない!

と獣医師が、犬の飼い主さんに、そのワケを説明するだけで、殆 歯が折れる事故は防ぐことが出来ます!

私が、アメリカ獣医歯科の先生から歯科を学ぶようになって、25年間

前の動物病院で、1匹で神経が出る程折りました

この犬は、私がまだ歯科を習いたてで

&言葉不足で

「歯石が貯まっているので、歯の治療をしましょう!」とだけ言った為に、

歯を綺麗に!と歯磨きガムを買ってあげたことが原因でした!

痛恨の極みでした!

ここ西宮市で、独立してからの16年間、犬の患者さんで歯を折ったのはたった1匹!私の説明を聞いていたのに、

「ガム買っちゃった」のウッカリさんでした。でも、すぐ取り上げ神経は出ず!

でした~

 当院で、歯を折るのは               新規のワンちゃんばかりデス

獣医師さんが、各動物病院で硬い物は歯を折るよ!

と教えて欲しい!!!

でも、動物病院でさえ

歯磨きガムが売られていたりするのです

原因は

①獣医師さん達が、大学で歯科の基礎授業が無いので、犬の歯が硬い物に弱いことを、知らない!

②売上アップの為に、デンタルグッズを販売するのが、過当競争になって売上をあげるには歯科グッズで!が、経営セミナーで獣医業界のトレンドだから

だと思います

何処の学会にも、歯磨きグッズを販売する業界の業者さん達が、ピタッ!ともれなく付いて来ますし、業者さんに罪は無いので、学会の協賛企業でもあるので、

無下にも、できずなのでは無いかと

毎回学会で大人の事情ってのを、

ヒシヒシ感じるのでした

折れた歯を、治療するのは

1本2時間以上の大変な治療になります

どうか、折るワンちゃんが減りますようにと祈る日々です