さて歯周病とはなんだったでしょう?
歯周病=歯肉炎+歯周炎のことです。
歯肉炎は歯垢=プラーク=細菌が歯肉=歯茎に接して
赤く炎症をおこしている状態を言います。
原因は何だったですか?
歯石ではないですよ~
そう
歯周病の原因は細菌=プラーク
台所のぬめりと同じ歯にひっついているネバネバがその正体です。
口の菌は、うんちの10倍の菌が入っていると言われています。
人の口の中には約700種類位の細菌がいるようですが、殆どが悪さをしません。
その中で、人は体の中で歯周病を起こす菌が10種類程だと判ってきたようです。
先日初めて当院に来てくださった犬の飼い主さんに,歯周病の原因は何だと思いますかとお尋ねするとその方は食べかす?とおっしゃいました。
食べ物は菌の栄養になりますが、原因にはなりません!
食べ物が直節の原因でないことはよく覚えておいてください。
ここで言っていることは人も犬も猫もウサギも何も変わりません。
人も動物の仲間です
人は人の歯周病菌、
犬は犬の歯周病菌、
猫は猫の歯周病菌も
それぞれ違うことも判ってきています!
でも未だに犬や猫の世界では、歯石が原因だと思っている方がほとんどではないでしょうか?
歯垢=プラーク=細菌でしたね!
その歯垢が唾液の成分と反応して菌が死んでいき固まったものが歯石です。
そのプラークが死んでいく途中で、それに接している歯肉や歯を支えている顎の骨などを腐らせて溶かしていくのです。
歯石があるとその下のも磨いてとることができないから
もちろん歯垢=細菌=プラークと歯石は除去しないといけません。
実はその歯石にも2種類あります
歯茎の上の歯石。
専門用語では縁上歯石と言います。
これを取るのが、
犬やネコが動物病院でされている、一般的な歯石除去ではないかと
思います。
犬の美容院でも、素人さんでも市販の歯石取りスケーラーという
簡単な器具で取る方もいるとお聞きしますし、獣医師でも無麻酔歯石を除去すると
いう方は、多分見えている歯石だけが悪いと思ってとっておられるのでは?と想像しています。
そしてもう一つは
歯茎の下いわゆる見えないとこにある歯石が
歯肉縁下歯石といいます。
歯周病に大切なのは、実は歯肉縁下歯石の方です。
写真の出典:www.sakanoshika.com
当院の飼い主さんも、以前は私に口を見せて下さり、歯石が着いてきてしまった から歯石を取ってくださいなんておっしゃっていたのですが,
今では一度治療を受けた方は、
歯石の付き方で犬やネコの歯の治療を決めないで、
人と同じように歯みがきが出来る方もそうでない方も、
人のように定期的にケアされるようになってきてくださるようになりました。
今度は歯肉炎や歯周炎の具体例を
ご紹介できたらと思っています。